世の中には、科学的には証明できないパワーを生かしたお仕事がたくさん。スピリチュアルの分野で活躍する職業がその代表的なものです。

「スピリチュアルな角度から自分の悩みを相談したい」
「前世や守護霊のことが気になる」

そういうとき、見えない世界と私たちをつなぐ特別な能力者たちの力が役立ちます。

・スピリチュアル鑑定士
・霊能師
・霊媒師
・占い師

これ以外にも、スピリチュアル鑑定士をはじめ霊媒師や霊能師、占い師など、さまざまなお仕事があります。

どれも、見えない世界につながる能力を使って、相談者が気づいていない人生の課題や悩みの解決をサポートする、という点では共通しています。ただ、人によって主に使う能力が違っていたり、得意分野が異なるなど、違いがあるのもたしかです。

では、それぞれの職業でどういった違いがあるのでしょうか。一つずつ比較していきましょう。

■スピリチュアル鑑定士(カウンセラー)とは?

スピリチュアル鑑定を通して、相談者の人生や生き方をサポートするのが、スピリチュアル鑑定士です。スピリチュアルカウンセラーやスピリチュアルアドバイザーといったものも、ほぼ同じように使われています。

スピリチュアルの世界では、プロに相談することを「カウンセリング」と呼ぶことも多いです。心理カウンセリングのように、対面して一対一でじっくりと話を聞きながら、一緒に解決法を考えていくという意味で、とてもよく似ているからと思われます。

スピリチュアル鑑定やスピリチュアルカウンセリングと、心理学をベースにした心理カウンセリングの大きな違いは、「スピリチュアル」の能力を使っているかどうかです。

もともと、スピリチュアルとは『霊的なこと』『魂のこと』『神や見えない存在のこと』を扱う世界。スピリチュアル鑑定でも、霊能力を使って現実の世界では考えられない前世や守護霊、カルマや人生の使命などを手がかりに、よりよい生き方へと導きます。霊視に基づいて相手の状況や今後の流れを確認しながら、相談者の悩みに寄り添って、本人にマッチした解決方法を探っていきます。

●心理カウンセリングとの違い

 

現在は、単にカウンセリングというと、人生相談から法律や就職、結婚相談まで、幅広く使われるようになりました。スピリチュアル鑑定と同じスピリチュアルカウンセリングも同様です。

ただ、本来カウンセリングは、臨床心理学から発展した心理カウンセリングから広まった言葉です。アドバイスというと、相談者の悩みを聞いて、解決法を示していくイメージですが、カウンセリングは相談者が自分で悩みや問題を向き合うお手伝いをしながら、どうすればベストな解決ができるか、寄り添っていくといったイメージで、専門的な仕事となっています。

スピリチュアルカウンセリングも「相手に寄り添って、本人の気づきを大切にする」という意味では、とてもよく似たお仕事です。スピリチュアル鑑定では、一方的に「こうしなさい」とか「AとBならBを選んだ方が絶対に良い」とか、カウンセラーが強引に答えを導くことはありません。本人が気づいていない問題の本質を見えやすくするため、霊能力を使って守護霊や先祖霊からのメッセージやアドバイスを伝えたり、オーラや魂の状態を察知して、スピリチュアル的にどういった状況にあるのかを教えながら、本人みずから直面している見えない壁に気づくまで待ちます。

相談者がより効率的に気づきを得られるように、スピリチュアル鑑定を通して、ヒーリングをおこないながら、魂をクリアにしていくサポートをするのです。

 

●スピリチュアル鑑定では多彩なアプローチを使う

 

スピリチュアル鑑定といっても、これといった定義がある言葉ではありません。カウンセリングの精度を高めるために心理カウンセリングの知識やスキルを学んで生かしているスピリチュアル鑑定士もいますし、相談者に合わせてレイキやアロマオイル、カード、占いなど、スピリチュアルの世界でよく使われるアイテムやツールを使い分けたり、組み合わせたりしているケースも少なくありません。

「オーラだけ見る」「前世だけ伝える」といったスピリチュアル鑑定は、ほとんど見られないのもポイントです。オーラや前世、守護霊のメッセージなど、本人の悩みの種類や相手の性格、考え方などを瞬時に読み取りながら、ベストな方法をその場で選択していきます。

したがって、ベテランのスピリチュアル鑑定士やスピリチュアルカウンセラーになればなるほど、アプローチの種類は多彩な傾向が強くなります。そこにプラス、人生経験やスピリチュアルな修行、スキルなどで、より相談者にマッチするアプローチを適切に使い分けられるようになるのです。

 

■霊能師とは?

 

霊能者や霊能力者とも呼ばれている、スピリチュアルな能力や感覚を使ってさまざまな問題を解決する職業です。一般の人たちにはない超能力を用いることができるため、本人にとりついて悪い影響を与える霊の除霊や浄霊、お祓いをしたり、運勢を好転させる祈祷をしたり、その仕事は多岐にわたります。

霊能師が使う霊能力には、視覚的な能力に長けた霊視能力や千里眼、霊からのメッセージを受け取ったり、霊と会話できる霊聴能力、相手の思いを感じ取ったり、伝えたりできるテレパシーなどが代表的です。また、霊と直接交信して問題解決や人生の壁を切り開く霊媒能力を使う霊能師もいます。

霊能師の使う技術は、神道や仏教、キリスト教をはじめ土着の信仰が由来のものも多いのが特徴です。スピリチュアル鑑定士やスピリチュアルカウンセラーはヒーリングやリーディングなど西洋で近代的に発展したアプローチを使うイメージが強く、宗教的なイメージは薄く、大きな違いとなっています。

日本では霊能師や霊能者のイメージは、テレビの心霊番組から広がりました。芸能人とともに心霊スポットを訪れて、幽霊について解説したり、出演者に取り憑いた悪霊を除霊したり、おどろおどろしい雰囲気が倍増して、何度も日本を心霊ブームに巻き込み、世間に霊能師の存在を定着したきっかけの一つです。

 

●霊能力は大人になってから現れることも

 

生まれながらに霊感が強い人もいる一方で、大人になって突然霊能力が開発される場合もあります。事故や病気で急に霊視ができるようになったり、人生の壁に直面して悩んでいるうちにヒーリングができるようになったりなど、スピリチュアルの世界ではよく耳にする話です。

そのため、大人になってから霊能力を自覚して、霊的に修行をしながら霊能師の道を歩み始める人も多くなっています。

ただ、霊能師の霊能力の強い、弱いと、霊能師本人が人間的に、スピリチュアル的にすぐれているかどうかは、別です。どんなにすぐれた霊能師であっても、霊格といわれるスピリチュアルな品格が高くなければ、相談してもかえってマイナスになるケースも。霊能力の高さと霊格の高さが比例しないのは、霊能師にかぎらずスピリチュアルの世界の難しいポイントだといえるでしょう。

 

■霊媒師とは?

 

霊媒師は、霊能師の役割と重複するため、別の職業というわけではありません。霊能力を使える霊能師や霊能者という大きなカテゴリの一つに霊媒師がいる、といったイメージです。

霊媒師として単独で取り上げられるときは、霊に関する問題を解決するのにすぐれた力を発揮する場合です。

「家に悪霊が取り憑いて心霊現象が起こっている」
「生霊に悩まされている」
「先祖霊を供養したい」

このように、除霊や浄霊、お祓いや心霊相談など、心霊現象を専門的に行う霊能師が、とくに霊媒師と呼ばれているのです。

霊能師や霊能者であれば、霊媒師の役割も果たせます。スピリチュアル鑑定士やスピリチュアルカウンセラーは、表だって霊媒師のように除霊をしたり、心霊現象への対処はしません。しかし、カウンセリングを通して、意識的に相談者に悪影響を与えている霊とのつながりをカットする、リーディングや問題解決のサポートの中で自然に除霊や浄霊ができている、といったことも。

したがって、霊能師の中に、相談をメインに見えない世界とつながってサポートしていくスピリチュアル鑑定やスピリチュアルカウンセラーも含まれていれば、除霊や浄霊専門やヒーリングをおこなう霊媒師もいるなど、はっきりと分けられないのもスピリチュアルの職業の特色となっています。

 

●本当に心霊現象に対処できる霊媒師を探すこと

 

霊媒師は、スピリチュアル鑑定士やスピリチュアルカウンセラーより、さらに心霊現象にスポットを当てて問題解決を図るエキスパートです。

ただ、除霊や浄霊能力に長けて、霊的現象を祓える本物の霊媒師でなければ、一時的な解決になってしまって、悪霊がますます力を発揮してトラブルがこじれる場合もあります。また、霊媒の仕事とあまりに不釣り合いのお金を請求してくる霊媒師に依頼すると、見えない世界とのエネルギー交換のバランスが失われて、かえって心霊現象がエスカレートしたり、霊媒師のカルマに飲み込まれたりして、落とし穴から抜け出せない相談者も生まれてしまいます。

もし心霊現象に悩んでいて、除霊や浄霊を霊媒師に依頼しようと考えているなら、本物の力を持っているのかどうか、また人間的にも霊的にも信頼できるのかどうか、慎重に見極めるようにしましょう。

■占い師とは?

世間では、霊能師や霊媒師と占い師は、同じように「怪しい仕事」と思われることもあれば、霊能師は霊能力を使っているが、占い師は使っていない、と思われていたり、さまざまです。

占い師の扱う占いのツールは豊富で、手相や四柱推命、姓名判断といった伝統的な占い方をはじめ、西洋から伝わったタロット占いやトランプ占い、カバラ数秘術占い、水晶玉占いなどなど、種類が非常に多くなっています。

どんな方法でも、学んだ通りに占えば、ある程度の結果は出せるので、占い相談の仕事をすることは可能です。ただ、占い師も、占う中でインスピレーションや引きの強さなど、霊感や霊能力に近い能力を利用しています。

そのため、ベテランの占い師になるほど、スピリチュアル鑑定士やスピリチュアルカウンセラー、霊能師と同じように、霊能力に秀でている場合がほとんどです。霊能力がなくても占い師になれるのは確かですが、すぐれた霊能力があればこそ、占い師として遺憾なく実力を発揮できるのも、また事実といえます。

 

●占いのは科学的なものから偶然のものまで

 

占い師が扱う占いの方法はさまざま。たとえば、誕生日を利用する四柱推命や名前を使う姓名判断、カバラという中東で生まれた数秘術などは最近日本でも人気です。データを利用しているため統計学や科学的なアプローチである、といった言い方もよく耳にします。

現代の感覚からいえば、占いは統計学や科学というよりは運勢や偶然を利用したものといった見方が一般的のようです。

しかし、だからこそ、精度の高い占いを受けたいなら、霊能力にすぐれている占い師のほうがベストといえます。スピリチュアルのスキルや経験を多く身につけているスピリチュアル鑑定士や霊能師でも、相談ツールのひとつに占いを組み入れていることは少なくありません。

なお、占いは種類がさまざまですし、東洋発祥のもの、西洋発祥のもの、日本独自のものなど、多彩です。

「私はタロット占いが気になるわ」
「姓名判断で名前を見てもらいたい」

など、まずは自分の気になっている占いジャンルで合いそうな占い師を探してみるのもおすすめです。

 

■まとめ

 

スピリチュアルな職業には、スピリチュアル鑑定士(スピリチュアルカウンセラー)をはじめ、霊能師(霊能者)や霊媒師、占い師など、一見すると別々のもののように見えます。

ですが、実際にはどんな職業であっても「霊能力」というベースがあってはじめて、相談者の悩みに寄り添って、人生を好転させるサポートができるのです。

もし、それぞれの違いに迷ったら、まずはカウンセリング感覚で見えない世界とつながることができるスピリチュアル鑑定士の扉を叩くといいでしょう。スピリチュアル鑑定士は、霊能師や霊媒師、占い師といった役割も兼ね備えている総合的なアドバイザー。きっと人生の悩みや問題をいくつもの視点からアプローチして、解決の糸口を一緒に見つけてくれるはずです。